2025年度から英検に新しい級が誕生するとのことです。
さてどんな級となるのでしょうか?
新しい級の名称
英検は、これまで
- 1級
- 準1級
- 2級
- 準2級
- 3級
- 4級
- 5級
と7種類の段階がありました。
しかし、準2級と2級との間のレベルが違いすぎるという問題が生じていました。
この問題を解決するために、2025年度から新たな級を設置する事になりました。
その名は準2級プラス。
この準2級プラスの難しさは、2級と準2級の間です。言いかえると、準2級よりも難しく、2級よりも易しい問題が出題されます。
この準2級プラスの導入により、英検の種類は、難しい順番に並べると次のようになります。
- 1級
- 準1級
- 2級
- 準2級プラス
- 準2級
- 3級
- 4級
- 5級
新しい級が導入する前は・・・
新しい級の説明をする前に、2級と準2級に合格した時、どのくらいのレベルの英語がついているかを説明します。(参照URL:https://www.eiken.or.jp/eiken/result/criteria/)
準2級は、「日常生活に必要な英語を理解し、また使用することができる。」ことです。
具体的には、家族や友達、先生と話すときに使われるような単語や表現が出てきます。
それに対して、2級は、「社会生活に必要な英語を理解し、また使用することができる」です。
具体的には、仕事をする時に使われる単語や情報番組で流れるような単語が出てきます。
確かに考えてみますと、「日常生活に必要な英語」と、「社会生活に必要な英語」は、難しさに違いがある感じがしますね。
日本語に置き換えて考えてみると、例えば、日常生活で必要な日本語しか使用していなかった小中学生が、いきなり「福利厚生」や「ニッチ戦略」「費用対効果」など社会人が使用する言語を理解するのは、厳しいことだと思います。

私が教えていた中学生や高校生でも、準2級に合格した生徒が2級合格までかなり時間がかかっていた印象があります。特に、英作文の問題の難しさが準2級と2級で全然違います。
個人的には、準2級は子供達にも分かるような題材で、2級は、普段から新聞を読んでいて、社会がかなり得意な人向けの問題というイメージです。
例えば、2023年度の第3回の過去問で、
準2級は
Do you think it is a good idea for people to go to other countries for volunteer work?
人々にとって、他の国にボランティアに行くことは、良いアイディアだと思いますか?
指定語数50~60語

2級ですと、
Today, some companies have online interviews for people who apply for jobs. Do you think this is a good idea?
今日、いくつかの会社が、仕事に応募してきた人たちに、オンライン面接を行っています。あなたは、これが良いアイディアだと思いますか?
指定語数 80~100語

準2級に受かった子に2級の英作文を教えると、生徒たちは題材の難しさに圧倒されたり、英語を勉強するやる気をなくしたりします。

単語の難しさもそうなんですけど、そもそも、「仕事の面接って何?」といった具合に、問題の意味が分からなかったりする子もいたりします。
準2級プラスはどのくらいの英語のレベルが必要?
では、新しい級の準2級プラスは、どのくらいの英語のレベルを目指しているのでしょうか?
それは・・・
身近な話題であれば、社会生活に必要な英語を理解し、また使用することができる。
です。
身近な話題です。
社会生活の中の身近な話題に絞られることで、難しさがなくなったと思います。
英作文のサンプル問題も見たところ・・・
Do you think it is a good idea for people to ask other people to take care
of their pets while they travel?(旅行する間、他の人にペットの面倒を頼むことは、いい考えだと思いますか?)

話題が、ぐっと身近になったと思います。「オンライン面接」といった子供に難しい単語はなく、「ペット」というイメージしやすい題材を扱った問題となりました。
これにより、準2級を受かった人たちが、よりやる気を出して、英検に挑んでくれるのではないかと思います。
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